第17章 約束
「…………凪の帯(カームベルト)…?」
「カームベルト?」
「なんだそりゃ。」
「…なまえ、それ本当?」
「………ナミ、分かる?ちょっとヤバイかもね、」
私の言葉でみるみる顔を青くさせたナミ。これは知ってるんだね。ナミの焦りに伝染されたように私もなんか焦ってきた。みんなはボケーっ、としてるけどね。
「あんた達、呑気なこと言ってないで早く帆をたたんで船を漕いで!!嵐の軌道に戻すの!!!」
「何慌ててんだよ。お前、漕ぐってこれ帆船だぞ?」
「何でわざわざ嵐の中へ。」
「いいから言うこと聞け!!!」
「せっかくこんなに晴れてんのに。」
「じゃあ説明してあげるわよ!!今この船はあんたがさっき言った通り南へ流れちゃったの!!」
「へぇ、じゃあ“偉大なる航路”(グランドライン)へ入ったのか?」
「それができたら誰でもやってるわよ!!!」
ナミ、ゾロは全く話を理解してないんだから最初から説明しないとだめだよ。
「“偉大なる航路”(グランドライン)はさらに2本の海域に挟み込まれて流れてるの!!それがこの無風の海域“凪の帯”(カームベルト)!!!」
「“凪”ね…どうりで風がねぇ。で?それが一体…」
「要するにこの海は…………」
ナミが重要なところを説明しようとした時に、大きな揺れが船を襲った。
「うわっ、何だ何だ地震か!?」
「バカ、ここは海だぞ!」
船ごと何故か空へ浮かんだ。いや、浮かんだというのは違うね。これは、何か大きいものに持ち上げられたような…一斉にみんなが驚く。驚きすぎて何も言えないのだ。ここはそう…
「海王類の………巣なの…」
船は動かすことはできないし、できたとしても船がひっくり返ってしまう可能性もある。何もできない、どうするのこれ。
「い…いいな、とにかく…!!こいつが海へ帰っていく瞬間に思いっきり漕ぐんだ!!」
「「お…おう!!!」」