第14章 ナミの涙
両側からサンジの蹴りと、ゾロの刀の竿に挟まれたウソップ。ギリギリ私は当たらなかったけど、衝撃でちょっと空中に浮いた。
「え。」
「う…」
「生きてたよ。」
「いや死んだぜこりゃ…」
いてて…ちょっと背中打ったぞ。てか、サンジのあの思いっきりな蹴りを受けるなんて…なんてタイミングの悪い。
「あーあ、ウソップー?生きてるー?」
ポンポンと鼻と口から血を出して気絶するウソップを起こそうと叩く。いや、これ完全にのびてますやん。
「あ…さとみちゅぁ〜ん♡この間ぶりだね!」
シュッバ、っと風が来て隣を見ると…サンジが座っていた。
「…あ、仲間になったんだね!よろしく〜」
握手のために手を差し出す。するとサンジは両手で私の手を包んで上下に振った。いや、片手でよかったんだけどな…
「あーーーー!!!ウソップーーーっ!!!お前これナミにやられたのか!!?」
びっくりしたじゃないか、ルフィ。そういえば、ゾロの隣でぐーすか寝てたね。まぁ起きたらウソップが血を吐いて倒れてるんだから、まぁびっくりするよね。
「いや、すまん。それはこいつとおれが。」
「お前だよ。」
……ん?待って、なんでナミにやられたってこと知ってんの?
「ルフィ、何でナミのこと知ってんの?」
「あ!なまえ!!お前なんでおれを置いて別行動したんだよ!!」
「いやいやいや、ごめんって。」
ウソップを抱き起こしてたのに、1回そのまま離して私の肩を掴んだルフィ。ゆさゆさと揺さぶられて目が回りまする…てか、落とした衝撃でウソップもぐぶっ、って声出したし。まぁそのおかげでウソップの意識が戻ったんだけどさ。
「おおルフィ、お前来てたのか。」
「あぁ。」
「あ、おれも来たぜ。よろしくな。」
「てめぇいつか殺すからな!!…問題はナミだ。おれはあいつに命を救われた!!」
いきなり本題に入るねウソップ。
「どうやらあいつが魚人海賊団にいることはワケがあるとおれは見てる!!!」
「無駄だよ。」
あれ、なんか女の人の声が後ろからした。振り返ると…
「ノジコ。」
なんでここにいるって分かったんだろう。てか、私は知ってるけどあっちは知らないから初対面ってことになるんだよなぁ。なんか不思議。