第10章 海賊の息子
「腕に銃弾ブチ込まれようともよ…ホウキ持って追い掛け回されようともよ…!!ここはおれの育った村だ!!おれはこの村が大好きだ!!!みんなを守りたい…!!!こんな…わけもわからねぇうちに…!!みんなを殺されてたまるかよ……!!!」
メリーが撃ったの、当たっちゃってたんだ。腕でよかった。それにしても、海賊を迎え撃って嘘にしちゃうとか。どんだけなのウソップ。なかなか真似出来ないよ。
「とんだお人好しだぜ。子分まで突き放して1人出陣とは…!!」
…そっか、3人には嘘だったと話したのかな。だから何も知らないわけね。
「よし、おれ達も加勢する。」
「言っとくけど、お宝は全部私の物よ!」
ナミ、目的が違う…!でも、やっぱりそういうと思った。ルフィもお人好しだしね。
「お前ら…一緒に戦ってくれるのか……!?な…何で…」
「だって敵は大勢いるんだろ?」
「恐ぇって顔に書いてあるぜ。」
「お!!おれが恐がってるだと!?バカいえ!!大勢だろうと何だろうとおれは平気だ!!!なぜならおれは勇敢なる海の戦士、キャプテン・ウソップだからだ!!!」
思わず吹き出しそうになったよ。ウソップの言葉とは裏腹に、足がめっちゃガクガクしてんだからさ。
「見世物じゃねぇぞ!!相手はキャプテン・クロの海賊団、恐ぇもんは恐ぇんだ!!!それがどうした!!おれは同情なら受ける気はねぇ!!てめぇら帰れ!!帰れ帰れ!!」
「笑ってやしねぇだろ?立派だと思うから手を貸すんだ。」
「同情なんかで命懸けるか!」
「お…お前ら…………!!」
あー、あーーー!!…私は思わず頭を抱えた。あの場にいなくてよかった!本当によかった!私ウソップ笑いそうになったもん。自分が情けなくて嫌で泣けてくる。
「この海岸から奴らは攻めてくる。だがここから村へ入るルートはこの坂道1本だけだ。あとは絶壁!!つまりこの坂道を死守できれば、村が襲われる事はねぇ!!」
「そうか、簡単だな。」
「口で言うのはな!後は戦力次第…お前ら何ができる?」
「斬る。」
「のびる。」
「盗む。」
「隠れる。」
「ぶっ…!!」
「「「お前は戦えよ!!」」」
ダメだおかしすぎる。こらえ切れずに吹いてしまった。とにかく、これでみんなは百計のクロ用いるクロネコ海賊団と戦うことが決定した。よし、私も逃げ回ろう。