第72章 生き残れ
「彼らを見逃すわけにはいかんかねェ…黄猿君。」
「勘弁して下さいよ…このコらをとっ捕まえねェと…我々『海軍本部』はマリージョアの“天竜人”達に顔が立たんのですよ。邪魔ァせんでくれませんか………!!!」
「なまえ、ウソップ、ブルック!!!ゾロを連れて逃げろ~~~!!!」
ボー…、として二人の会話を聞いていたが、ルフィの声で弾かれた様に体が動いた。さすがにゾロを抱えて走る力がない。すぐにみんなを乗せられるくらいの大きな雲を作り、スピードを出してその場から離れた。
「全員!!!逃げる事だけ考えろ!!!今のおれ達じゃあ、こいつらには勝てねェ!!!」
戦うな、私もそれが一番いいと思う。全快だったらまだしも、七武海を相手に戦った後だ。それに相手は七武海級のパシフィスタ、海軍大将ときたもんだ。全力で逃げて、生き残る。それが一番大事だ。
「ヨ…ヨホホ、その能力便利ですね~!!」
「あ……ありがてェ、これであいつから距離がとれる!!」
「どうだろう…相手は光だから……」
その瞬間、横からもの凄い光が飛んできた。思わず目を瞑るが、瞑った瞬間しまったと思った。この光、ピカピカの実を食べた黄猿の攻撃じゃないか。
「うわっ、眩しい!!」
「光!!何かして来るのでは!!?」
ギョッ、として後ろを見ると…確かに黄猿が光になってこっちへ移動をしようとしていた。だが、またもやレイリーさんが助けに入ってくれた。本当に凄い…ロギア系相手にあんな軽々と…
「またおっさんに救われた……!!」
「コココ、恐かった~」
「おいなまえ!!もっとスピード出せねェのか!?」
「これが精一杯だよ!!乗せてあげてるんだから、文句言わないで!!」
黄猿から逃げ切れるかもしれない。しかし、現実はそんな甘くなく、虫の息であるゾロを狙おうとしてるのは一目瞭然だ。