第72章 生き残れ
「畜生!!!何でだ!!?当たらねェ!!!その足をどけろォ~~!!!」
「刺さりもしません!!!ちょっと!!どうしたら、」
「ムダだねェ…わっしは“ピカピカの実”の…『光人間』、自然系(ロギア)だからね。」
ロギア系…私達からの攻撃はそうそう通らないってわけか。だったら…
「「「「ゾロ~~~~っ!!!」」」」
「え、ちょっと、なまえさん!?」
私はゾロに覆いかぶさり、小さいけれど水のバリアを張った。屈折してくれれば、と思って張ったけど…そもそも私のこの水は人工的に出てきた水なわけで…どれだけ通用するかは未知数だけども。
「……異世界人…水のバリアで、光を破れると思わないことだねェ~」
「……ちっ、やっぱり無理なの……!?」
でも、やっぱり通用することに希望をかけて、ゾロに覆い被さったままにする。どんどん光がそいつの足に集まってきて、とうとう目が開けられなくなるほど眩しくなる。体の震えが止まらなくなる。無理だ……死ぬ。ルフィ………
ピュン!! ボコォ…ン!!
「…あんたの出る幕かい、“冥王”レイリー…!!!」
「若い芽を摘むんじゃない…これから始まるのだよ!!彼らの時代は……!!!」
攻撃が来ない、と思い恐る恐る顔をあげる。私達を守るように立ち塞がってたのは、レイリーさんだった。凄い、ロギア系の能力者って触れられないのに…
「あんたがこの島にいる事は度々耳にしてたけどねえ、本当だったんだね~~。こんなヒヨッ子達のカタを持つなんて、腐っても海賊ってわけなのかい…!!レイリーさん。」
「キミ達が手配書を破棄してくれるのなら、私ものびやかに隠居できるんだがな。」
「海賊の罪は消えんでしょう…!!ましてやロジャー海賊団。ただ、あんたを捕らえるとなると……こちらとしても……色んな覚悟を決めにゃあいかんので…」
「よ…よかった、ゾロ…!!なまえ…!!やっぱスゲェんだこのおっさん。」
「突いても突いてもすり抜ける体を…今…止めましたね……何で!?」
まだ震える体をゆっくり起き上がらせて、大将黄猿とレイリーさんを交互に見る。ゾロも元々無事ではないけど、ちゃんと息はしている。今なら逃げられるだろうか…