第72章 生き残れ
「…ハァ………止まったよな…!!あの野郎、」
「………そりゃまあ…さすがに………!!」
ルフィの大技が決まり、クマは倒れた。音がしないから、多分もう動かないけど…人間と違って痛みを感じないから、機械が壊れない限りは動く。だから怖いのだ。
「まだ動き出しそうで………不気味。」
「………そしたらもうダメだ…おれはもう………くたくたで動けねェよ。」
「…ぜェ………戦うより逃げた方が…よかったのかな…」
「……倒せる者は倒しておいた方がいいわ。…どの道追われるんですもの…」
ロビンの言うことも一理ある。だけど、クマ…いや、パシフィスタを一体倒しただけでこの疲労。これはマズイと考えた方がいい。この島にはもうすでに大将、そしてこのパシフィスタがいたってことはまだ他にも何体かいるって思った方がいい。そしたら3日間サバイバルだなんて不可能に近くなってしまう。
「………しかし…結局何だったんだコイツは………!!」
「こいつが“改造人間”である以上…元はあのバーソロミュー・くまと同じ姿をした“人間”だって事だ…双子の兄弟か…もしくはスーパーそっくり人間をか改造したと考えるのが一番自然だな…いくら何でも“人間”そのものは造れやしねェ…!!」
そうかな…海軍にはもの凄い腕の研究者がいるって聞いた。その人ならあるいは…いや、余計なことを考えるのは辞めよう。ふと倒れたクマに近づく。よく見てもやっぱり機械には見えない。
「……あれ…」
「……どうしたなまえちゃん。」
ふと目に入ったものに声を出せば、近くにいたサンジが返事をした。倒れてるクマの腕、そこには〈PX-1〉と書かれていた。嫌な予感とは当たるものだ。サンジと顔を見合わせてシワを寄せてしまった。
「……ハァ…ちょっと…休もう。いきなり…こんな全力の戦闘になるとは…思わなかった…………!!」
「…休みてェが…まず身を隠した方がいいな……今また見つかったらおれら一網打尽だぞ…」
ぐったり、と疲れきって座り込んでる仲間達。クマの刻み込まれてる文字を見て、さらに目立つここで休んではいけないんじゃないかと焦る。ルフィのもとに行き、完全に瓦礫に身を任せてるのを必死に引っ張る。