第3章 石田治部少輔三成の病
目的の文の練習を始めた
まずは書き出しの挨拶と季語を習う
「緊張するなぁ。どうやって渡したら良いかな? 宛名だけで届くのかな?」
「遠くに居る方なのですか?」
ってっきり安土の者だと思っていた
「うん。初対面の人だから自己紹介も書いたほうが良いよね?」
初対面? 会ったことも無い方へ恋文?
「様は、そのお方をお慕いしてるのですか?」
「好きって事?……そうだね。お近付きになれたら良いなて思ってる。キャッ恥ずかしい。」
頬を染める様を見て胸が苦しくなった
この笑顔が他人へ向けられていると思っただけで、ドス黒い嫌悪感が己の中に沸き上がった
「私が届ける手配をしましょう。どの領地の方ですか?」
「えっと、確か遠州井伊谷の領主、井伊直虎様」
「井伊家……。井伊家とは家康様の臣従ではないですか……
しかも今の城主は確か…………女ですよ。」
「知ってるよ。カッコイイじゃない、女城主って!」
NH〇 大河ドラマでは確か今の時代だったはずと思い筆を取ったのだった。
三成は全身の力が抜けて、心が穏やかに戻っていくのを感じた