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オマエはおれ(ら?)のモノ【おそ松さん】

第4章 失恋バナナ〈十四松〉






『・・・あれ?一松くん?何してるの?』


「いや、オマエこそ今何時だと思ってんの?もう11時だけど?」



新人の指導係になり、最近仕事が少し忙しかった。気がつくと会社に残っているのは自分1人で時計を見れば11時5分前。


・・・全然華の金曜日じゃないな。


そんなことを思いながら、急いで帰り支度をして外にでれば、ガードレールにもたれかかってズボンのポケットに手を突っこんでいる一松くんがいたのだ。


6月上旬の夜。
今日の夜は少し冷え込んでいた。



『寒かったでしょ?大丈夫?』


「いや、ちょっと前までチビ太んところで呑んでたから割と暖かい。」



そう笑う一松くんの顔は確かにほんのり赤かった。


話によれば、十四松くんが失恋をして、慰めるためにみんなでチビ太くんのおでん屋さんで呑んでいたとか。



「で、家に帰ったら花子いなくて、暗いし遅いし、」


『心配で迎えに来てくれたんだ。』


「・・・・・別に。」



一松くんはボサボサの髪の毛を掻きむしった。


・・・照れてるな。
最近一松くんの行動でどんな気持ちなのか分かるようになってきた。それがなんだか嬉しかったりする。



『明日、準備できてる?』


「できてる。」



明日の午後、一松くんは猫カフェでバイトの面接をするのだ。

というのも2日前、取引先で仲良くしている猫カフェのオーナーさんから、働き手を紹介して欲しいと連絡をもらった。


ユーザーさんに紹介しようかとも思ったのだが、働き口をゆるーく探している一松くんと、週1でも良いというオーナーさん、双方の意見が合っている気がして、私はすぐ様一松くんに確認をした。




「・・・やってみようかな、」


『私も一緒に面接ついていくし、大丈夫だよ。』



一松くんは不安そうな表情をみせたが、ふたつ返事で面接を受けてくれることになったのだ。




『オーナーの岸谷さん、優しいおじさんって感じだからそんな気負わなくて大丈夫。』


「まぁ、明日頑張りますよ。」



楽しい時間はあっという間で、気付くとマンションのエントランスに着いていた。

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