第7章 トラ男とパン女の攻防戦
胸の先端を離したローが、薄く笑う。
顔を上げた拍子に顎髭が頂に当たり、些細な刺激に大げさなほど反応してしまう。
「ひ、あぁ……ッ」
「ああ、悪い。今のはわざとじゃねェ。」
ちっとも悪いとは思っていない口調で謝られてローを睨むが、涙目になった瞳ではいまいち効果が低い。
「なにか言いたそうだな?」
「わかってるくせに……!」
さっさとやめて勉強したいとか、意地悪ばかりしないでほしいとか、いろいろ言ってやりたいことはあるけれど、それらはすべて口に出さなくても伝わっているはず。
「ああ、そうだな。言われなくてもわかってる。」
敏いローには、ムギの想いが正しく伝わった。
伝わったには伝わったけれど、それはムギが言ってやりたいと思っていたセリフとは全然違う。
「こっちも触ってほしいんだろ?」
「え……ッ」
すっと伸ばされた手が、切なく疼く下肢へと触れる。
閉じ合わせていた内腿の合間に滑り込んで、ぬかるんだ秘処を服の上から撫でた。
直接触られているわけでもないのに、甘い痺れが腹の奥まで届いた。
「ん……ッ、そ、そんなこと、思ってな……ッ」
「おい、さっきも言っただろ? お前、嘘が顔に出るんだよ。」
顎を掴まれて視線を無理やりに合わされたら、隠したい秘め事も見破られてしまう。
「キモチイイこと、されたいんじゃねェのか?」
「そんなわけ、ない……!」
「どうだかな? おねだりが恥ずかしいってなら、素直になれるようにしてやろうか。」
花芯を撫でていたローの親指が立ち、服の上からぐっと沈む。
刺激を求めて蜜を流していた秘処が親指の圧を見逃すはずもなく、圧迫感は瞬く間に快感へと変化する。
「あ……ッ、んや、あぁ……!」
突き抜ける愉悦に脚を閉じ合わせ続けることもできず、引き攣るように両脚が浮いた。
これほどわかりやすく反応しているのだから、もうやめてくれればいいのに、ローの親指はぐりぐり回転を加えながら花芯を押し続ける。
偶然か必然か、ムギをよがらせる圧力が花芽の上にたどり着き、引き続きぐりっと抉られる。
「ふぁ、あ、あーーッ!」
はしたなく嬌声を上げながら、全身に雷が突き抜けた。