第2章 花の蜜に吸い寄せられるのは、蝶だけではない

「お願い……っ、もう咬んで」


「だから、まだだってば」
「……やだぁっ、も、おかしく、なる」
「なっていいよ？」


剥き出しにされたままの突起へと吐息が触れた、瞬間。


「あっ！？や、ま……っ＿＿_ッッああっっ！！！」


ぬるぬるとした生暖かい舌が、敏感になりすぎた突起へと触れたのだ。
彼がその場所へと舌を這わす度。
吸い付く度。
とろりとろりと蜜がシーツを汚して行くのがわかる。


「だめっ、おねが…っ、それだめっ」


喘ぎっぱなしの口からは、飲みきれてない唾液が伝う。
チカチカと強すぎる刺激に、目からは生理的な涙が溢れて伝う。
もう、ほんと。
気持ちよすぎて。
気持ち、良くて。
わけがわからなくなる。


「は……っ、はぁ…っ、あ、あ、ああっっ」


「ほんと、かわいいなぁ」


つぷり、と。


指が２本、一気に沈んでいく。
誘うようにピクピクとうごめく蜜を流すその場所は、簡単に指を根元まで飲み込んでいく。
舌を這わす突起への刺激はそのままに、蜜口へと沈んだ２本の指は、あたしのいいところを的確に突いていき。
お預けを食らったままの身体は、簡単にまた、昇華へと向けて熱が駆け上がってくるのだ。


だけど。



「もぉ、や、だ………ぁ」


「我慢して、いい子だから凛」




おおげさなくらいに反り返る体は、弾ける１歩手前で止められた刺激に悶え苦しむ。
体に燻る熱を昇華させてもらえないまま、再開する刺激に体はすでに限界。




「お願い…………っ」

って。
羞恥心を捨てて決死の覚悟でお願いすれば。


「お願いする凛ちゃん、余計嗜虐心煽られるんだけど」


なんて怖すぎるセリフ言っちゃうし。


もうほんと、泣き落としもしたけど、
さっきの恐ろしいセリフをまた聞いただけ。






「凛ちゃん」


「……もう、無理…………っ」


散々焦らすに焦らされて。
汗と涙で顔がぐちゃぐちゃになった頃。

「もっと気持ちよくなりたい？」



翔琉の低い言葉に体が更に震えた。



これ以上は無理、って。
頭はそう、赤信号を出してるのに。



このあとにくる快楽を体は覚えてる。
頭とは真逆の反応をする体を。
翔琉は絶対見逃さない。


「じゃぁ、いいよ？気持ちよくなって？」