第3章 マネージャー、やらないか?
翌日。
内藤「あかし」
「『はい』」
内藤「…女の方だ。明石、これは何だ」
『何だって…スポーツテストの結果です』
内藤「それは見て分かる。じゃあ…これは分かるか?」
『…赤司君の結果じゃないですか』
何を言ってるんだ。そんなもの誰が見ても分かる。それにしても赤司君、運動も出来たんだ。だって全ての結果がA判定だし。あたしなんて長座体前屈意外全部Cだからね。
内藤「明石。俺は生徒同士を比較したくはない」
『じゃあしないでください』
内藤「ところがそうもいかないんだ。さっきみたいに名前を呼べば、2人とも反応する。いちいち面倒じゃないか?」
『そりゃ面倒ですけど』
内藤「そこでだ。男の赤司は成績優秀、運動神経抜群、おまけに1年でバスケ部の副主将。俺も鼻が高い」
『凄いッスね』
内藤「反対にお前は成績も運動も全て中途半端だ。俺はお前の未来が心配だ」
『サーセン』
内藤「…それらも含め、俺はお前に試練を与えるとする。今日から男の赤司を赤司、女の明石をBと呼ぶ」
『…は?』
何を言ってるんだ。ていうかあたしがB!?"あかし"の文字消えてんじゃん!
『そんなの納得いきません!』
内藤「恨むならお前自身を恨め。そうだな…お前が少しでも赤司と肩を並べられるまで成長したその時は、Bじゃなくて明石に戻してやろう」
そんな…
「…どんまい、明石さん」
『…ははは』
本当、神様は意地悪です。
こんな精神状態のままでマネージャー初陣、成功するのでしょうか。