第2章 もう1人の…
「今日どこかへ行くのかい?」
『え?』
「さっき話していただろう」
『あぁ、カラオケ行くんだ。赤司君も来る?』
「カラオケか。今回は遠慮しておくよ。あまり歌とか聞かないからよく分からないんだ」
『オッケー!また今度行こうね!』
確かに赤司君って音楽とか聴かなそう。いや、聴いててもクラシックとか限定っぽい。てかよくあたしらの会話聞こえたね。地獄耳なのかな。
そして放課後。
「ごめんちゃん、幼馴染に今日一緒に帰れないって事伝えてきてもいいかな?」
『いいよー!てかあたしも寄るとこあるから、先に行っててもほしいんだよねー』
「えっ、私女の子1人とか無理だよ!昇降口で待ってるから一緒に行こうよ!」
『分かった。じゃあなるべく早く帰ってくるから待ってて!』
牧田に先に行っててくれと伝え、カラオケ店の名前を聞く。やっぱり小学生の時によく行った所だった。
さて、用事をさっさと済ませてしまおう。
『お邪魔します…』
あたしが向かった場所は体育館だった。
部員「君新入生?仮入部は明日からなんだけど…」
『いや、入部しに来たんじゃなくて、虹村先輩に少し話があって…』
部員「あぁ、告白?今はやめてくんないかな。部活中だから」
『はい?告白?違いますけど…』
何を勘違いしたんだろう、この先輩は。1年生で、しかも入学式の日に告白しようと思う人なんているのだろうか。
虹村「オイ、誰が休憩していいっつったよ」
部員「虹村!いや、この女の子がお前に話があるとか言うから…」
虹村「あん?って、お前は…」
『こ、こんにちは…』
虹村先輩の練習着姿は、制服姿よりもかっこよかった。