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貴方が傍に居たら

第2章 イソップ・カール


【イソップside】

元々人間は苦手だが幼馴染のウィリアム、ナワーブ、イライは信頼出来る。だから同じ大学に通うのも楽しく思えた。

大学に入って1ヶ月程でANEW組やらなんやら騒がれて勝手にファンクラブも作られて正直鬱陶しい。

恋とかそういうものに関してはあまり興味もなかったから余計に付きまとわれる事に嫌気がさしていた。

恋とか一生無縁なものだと思った。

あの子に出会うまでは。


大学に通って2年目が始まって少しの頃。
いつも通りサークル活動で図書室で本を探していた。

僕の好きな作者は独特な世界観から無名ではあるがマニアの中で人気のある人だ。

その作者の本が並んだ棚に1人の女性がいたのだ。

茶髪の綺麗な髪。大きな目に映える長い睫毛。
足が長くスキニーが良く似合うスタイル。

一言で言えば綺麗な人だと思った。

その女性は背伸びして棚の上の方にある本を取るのに奮闘していた。

その困った姿に思わず僕は声をかけたのだ。

『これ読みたいの?』

僕の声に驚いて目を見開く女性。
一目惚れとはこういうことを言うのだろう。

彼女は僕と同じようにこの本が好きだという。
知らない人が多い本なのに。

彼女はツキ愛染と名乗った。


もっと話してみたい。
もっと仲良くなりたい。
もっと彼女を知りたい。

と僕の中で何か芽生えた日だった。
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