第5章 「気持ちが傾く」
そして日付の変わる頃、
リヴァイはマフラーと
手袋を装備しながら玄関に向かった。
玄関までの見送りは
さやかがしたいので勝手についてく。
「俺が出たらとっとと鍵をしろ
あとチェーンも忘れるな。
チャイム鳴っても
インターフォンで確認するまで出るなよ。」
少々過保護なくらいの注意を
毎度残してリヴァイは玄関を出て行く。
「行ってくる」
『行ってらっしゃい』
挨拶を交わして、ドアを閉め......
さやかが鍵とチェーンを
掛けてから、リヴァイの足音は
ドアの前を遠ざかっていく。
確認、してるんだろうな。
それも気持ちが
一つのベクトルに傾いていく
ファクターの一つになっていた。