第14章 「ハッタリ」
『タンポポ、シロツメクサ、
アカツメクサ、えーと......
んー......この黄色いの......』
系統としては
シロツメクサやアカツメクサと同じ、
しかし花はその
ミニチュアのように小さい。
『.......キイロツメクサ?』
「コメツブツメクサ」
あっさり回答を出した
リヴァイが小さく笑う。
「白、赤と来たら次は黄色って
思う気持ちは分からなくもねえな。」
散歩の歩みはいつもよりも格段に遅い。
リヴァイが新しく
咲いている花を見かけるたびに
立ち止まり、写真を撮るからだ。
「花の名前は割と知ってるじゃねえか」
『えへへ、まあね。女の子だし』
.......などと答えたのはハッタリだ。
実は一夜漬けに近い。
話は数日前に遡る。