第1章 Ki
『俺はこれでいいんだよ!!
チビでも家族を支えられるし、
守れるんだから!いいのっ!』
突然の大きな声に
驚いたのか貴宏が泣き出した
「びっくりしたねー、ごめんね?」
そう言って私が貴宏を抱っこ
しようとすると
宏光が立ち上り貴宏を
抱っこした
「どーしたのよー?
びっくりしたよ?」
何も言わない宏光の
後ろ姿に色んなものを感じた
何よりも愛おしくてたまらない
私は歩み寄りそっと後ろから
宏光に抱きついた
『は
俺の事チビだと思ってんだろ…』
「私そんな事思ったことないよ。
だって宏光には誰にも負けないくらい
大っきな優しさとハートがあるもん!
私も貴宏も宏光がいなきゃダメなの。
それに…?」