第1章 記憶**
悠仁君の声にびっくりする。
「ごめんっ、冗談きつかったよね!ごめ…」
彼は私の言葉をさえぎってこう言った。
「その日、空けておいてくれないか!?」
「・・・・・・・へ?あ、うん」
なんだ、怒ってなかったんだ。
「どこか連れて行ってくれるの?」
「まあ…それは、お楽しみにって事で!」
「ふーん・・・・・・・」
私はこの生活が好きだ。
朝お母さんに起こされて学校へ行き、友達とお喋りして悠仁君と帰って来る。
平凡な日の繰り返しだけど、とても充実していると思う。
・・・・・・・あの事が起きるまでは。