第4章 さよなら**
「ざんねん。時間切れだな」
「えっ⁉」
「俺、水穂に会いにきたけど、やっぱり死んでるわけ。だからもうそろそろ行かなきゃいけないんだよ」
「そんなっ!私っ!ずっと拓海の事ばかり考えてたんだよ⁉何をしてても、何処にいても拓海に会いたい、会いたいって!思ってたのに!」
「ごめんな。でも俺も同じだよ」
彼は私に近づいて、そっと唇にキスをした。
「・・・・・・・最後に」
「手を出してくれるか?」
「・・・・・・・」
私が手を出すと、急に強風がふいてきた。
あまりの風の強さに目が開けられなかった。