【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第11章 正義とは
「はいよ。姉ちゃん。この島のもんじゃねェな。」
『えぇ…取材の旅に出てる記者なの。今は休憩中なんだけれど。』
「ほぉ…そらこんなところまでご苦労なことだな。なら、1つ忠告しておいてやる。いいか、18時を過ぎてから街を彷徨くんじゃない。ここは、夜の街に生まれ変わるからな。」
『へぇ…夜の街に。ありがとう、肝に銘じておくわ。』
「興味ありそうだな。」
『まぁ…少しね。記者の魂が疼くっていうのかしら。』
「おいおい、興味本位で来るんじゃねぇぞ。
いいか、ここは、夜の街になると海賊どもが闊歩する街になる。
海賊に襲われたくはねぇだろ?」
海賊の夜の街…ねぇ。
『えェ、もちろんよ。でも海軍はいるんでしょう?
ほら、島のあっち側にもあったし。』
「あァ、あいつらは…何にも役にたたねェよ。この島は表向きは海軍のジェント中将に仕切られてるが…裏は海賊に仕切られてる。ジェントの野郎に海賊は金を渡してる。まあ、捕まらんようにしてんだろうがな。」
『へぇ〜…それは悪いこと。貴方たちはいいの?そんな海賊に仕切られた街で生活して。』
「いいわけねェだろ!!……わるいな。」
『いえ、わたしも聞きすぎたわ…ごめんなさい。』
前に出されたランチは少し冷たくなっていて、それでも十分美味しかった。お金を支払い、ラック軍曹に連絡を取る。
[こちら、ラックです。アン中将でしょうか。]
『えぇ、どう? 情報は得られた?』
[はい、海賊どもの住処であろう洋館の場所が判明しました。
あと、我々が船を止めたところの反対側に海賊船が大量に停泊しておりました。ッ…その横に一隻海軍の船がありましたッ]
『…確認したのね。中からは誰が出てきたの?』
[それは……ーーーーー]
ざわりと風がざわめいた。子電伝虫から聞こえた声に…名前に衝撃を受けた。元帥はこのことに気付いていたのだろうか。
『…そう。わかったわ…一度皆を集めて情報を整理しましょう。』
[はい…すぐに戻ります]
子電伝虫が切れたのを確認し…すぐに海軍要塞へ戻る。
まさか…どうして…
『カージマス中将…』
小さな呟きは風の中へ消えていったのだった。