【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第9章 怒りの果ては…
「アン少将…食事を。」
『いらない…』
「しかし、もう6日は食べておりません。」
『なにも食べれる気分じゃない。決定はまだおりないの?』
「まだ…それよりも食事を!」
『ほんとにいらない。』
「なーにを子供みたいなこと言ってんの。これ以上食べなかったら能力者といえど死んじゃうよ?」
『青キジさん…』
「決定おりる前に死にたいわけ?」
『そんなことはないです。でも…』
「でももクソもないの…ほら、食べて。おじさんが悲しくなるから。」
『………そうですね。』
一口を食べ始めた時だった。もう1人の来訪者が訪ねてきた。
「そうだ…食べてもらわんと困る。これから、君は貴重な戦力となるんだからな。」
『…元帥…』
「待たせたな…処分が決定したぞ。ポートガス・D・アン…本来君は生きていてはならない人間だ。がしかし、その能力、その頭脳、共に失っては海軍の痛手になる。よって、君の処分は…」
ドクンと心臓になった。生きていてはいけない人間…か。
「ポートガス・D・アン。君を中将に任命する。今後は能力を使い海賊を根絶やしにしなさい。それが上からの決定だ。」
『どう言うことですか!?』
「君はとても有能だと四方から声が上がってな。それを配慮し処刑は取り消し…そして、海軍に従順に勤めていたことが良かったな。五老星もそれならばと許しを出してくれた。」
『……』
「君はクザンにとって、必要な存在のようだからな。これからもしっかり頼むぞ。」
センゴクさんは肩をポンと叩いて部屋を出ていった。
「あ〜、つーことだわ。これからもよろしく頼むよアン中将」
『…なんか、いいんですかね。こんな危険因子を生かしてて。』
「自分で危険因子って言っちゃうあたりどうよ、ま、それが決定だしいいんじゃない?」
『は、はぁ…』
この異例な特進は瞬く間に海軍中をかけぬけた。憧れの視線を向けるもの、妬みの視線を向けるもの。それぞれ賛否両論はあった。
しかし、その噂の中にあの男の子供だったと言うことはなかった。
ポートガスという名前も特に知られていないようで、そこに触れてくるようなことはなかった。