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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第69章 ぼんやりと


「お前は一体なにしてんだよ!」

そう誰かが叫んでいた。黒いひげ??あれ、見たことある。

「なんで忘れちまったんだよッ!誰がそんなところに行けって言ったんだ!!くそ、ニューゲートはなにも気付いてないのかッ!!」
「やめて、ロジャー…アン。ちゃんと思い出して…そこはあなたの家じゃない。あなたを待つ人達はその人達じゃないわ!」

誰…誰なの…なにを言ってるの…。

薄らいでいく2人の男女はどこか懐かしく、遠い存在。

「力を使って…思い出すのよ!!」

フッと消えた蝋燭のように辺りが真っ暗になった。

ー俺とお前は兄妹だからな!
ーアンよい。
ーアンちゃん!

『ッ痛い…誰なの…やめて、やめて!!』
「おい、大丈夫か?」

肩を強く揺すられて目を開けると、そこはドフィの部屋でサングラスをかけたままのドフィが顔を覗き込んでいた。

『…ハァ、ハァ…』
「うなされてたぜ?」
『…なんか変な夢見た。』
「そうか…まだ夜は長ェからなもう少し寝てろ」
『ドフィは?まだ寝ないの?』
「あァ…アンちゃんが寝たら寝るからな。」
『サングラス、つけたまま?』
「なんだァ?気になるか?」
『まァ…そこそこに。』
「フッフッフッ…このサングラスの下を見るには俺の女になるしかないなァ」
『じゃあ、いい。』

布団をかぶり直して背を向けるとカチャと机に何かを置く音…そして、ギュッと背中に感じる暖かさ。

「拗ねんなよ、アンちゃん」
『拗ねてない…暑苦しい』
「フッフッフッ、ツンしかねェな。」

そんな冗談を言いながらも離れないのは、私が心から嫌がっているからではないからだろう。目を閉じるとまたあの夢を見るんじゃないかと警戒したが、その暖かさがあまりにも心地良くてゆっくりと意識を手放していた。




Side.Doflamingo

急に身動ぎをしたから起きたのかと思えば、魘されていたアンちゃんを無理に起こした。

サングラスの下が気になるなんて、“俺に気でもあんのか?”と思ったが杞憂だった。サングラスを机においてその小さな背中に抱きついていると数分も立たないうちにまた夢の中に入っていったようだ。

「早く落ちちまえよ…アンちゃん」

小さくなる姿に愛しさが溢れ、髪を1束すくいキスを落としてから俺も眠りについた。
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