【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第60章 遅れたが…
Side.Ace
アンは酒場に着いてからすぐにナースの奴らに紛れていった。
「馴染んでるみたいでよかったな。」
「なんの話だよ」
隣にいたデュースが笑みを浮かべて話しかけてきた。
「いつも気にしてるよな〜」
「世話の焼ける奴がいると兄貴は大変なんだよ!」
「エース隊長よりはしっかりしてますぜ!!」
「そうですよ、俺たちにも優しいし!!」
「美人だし!!」
酒の入っている隊員たちはヤジを飛ばすように話に入ってくる。
「うるせェよ!!」
アンは顔を赤くしたり、キョトンとしたり、ナースに抱きつかれたりと大変そうだったが、嫌な顔はしてなかったので放っておいた。
「俺、きっと兄貴じゃなかったらあいつに惚れてたわ」
「お、やっと自覚したか?お前みたいな妹ベッタリなやつをな巷では“シスコン”って言うらしいぜ?」
ニヤリと笑うデュースに少しイラッとしたので、炎を出すと静かに黙った。
俺の妹は誑かしの天才なんだよな…。
Side.Thatch
マルコとアンちゃんが2人で買い物をしていたのに、付き合ってないとか抜かしやがったからあまりにムカついて、喧嘩になったのは宴が始まる前の話だ。
「で、マルコよ。どうなってんだ?アンちゃんとは」
「なんだよい、そんな藪から棒に」
「俺も気になって仕方がないわけよ。アンちゃん、あんな感じで鈍感じゃん?きっと言わなきゃ気づかないでしょうよ」
「それは俺も思ってたさね」
横から湧いたように出てきたイゾウに少し席を詰めた。
「ありがとさん。キスはしてただろう?」
「ブッ!!な、なんで…」
「なに、それ俺知らない!!」
「あんな人目に着くとかでするからだろ?見えてたぞ?」
マルコの顔が赤くなってやがる。
「うわ、まじかよ。キスまでしといて付き合わないとか…」
「こっちにはこっちの都合ってもんがあんだよい!」
「ほぅ、聞かせてみな?」
「それは…ま、色々だよい」
「どうせくだらないことで悩んでんだろ?」
「俺はおっさんだから…とか歳も離れてるし…とか?」
「お、サッチはよくわかってるね。」
「だろ?」
「くだらないことで悩んでんなら俺がかっさらっちまうぞ?」
「あ?」
イゾウはニヤッと妖美な笑みでマルコを挑発しやがった。まじかよ、俺の前ではおっ始めないでよ??