【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第6章 一難さってまた一難
『いや、別になんてことないですけど。アンです。階級は少将…よろしくお願いします。ベック』
「おい、そこでなんでベックなんだよ! 船長は俺だぞッ!!」
『私、おじいちゃんの教えに忠実なので、船長さんとはよろしくしたくありません。』
「わっははははは!! また一本取られたな!!」
「俺はヤソップ! よろしくしてくれ!」
「俺はラッキー・ルウだ! 肉食えよもっと!!」
赤髪の海賊団は順々に名前を教えてくれた。もちろん知ってるが。
そこは言わないで置くのが大人の対応だろう。
「で、アン…おめェ家族はいるのか? 歳は?」
『その情報…なにに使うんです?』
「使わなねェよ! 興味本位だ!」
『…祖父が1人、兄が2人、弟が1人です。』
「祖父は…ガープのクソ野郎だろ? 兄が2人もいんのか?」
『えぇ、血が繋がりあるのは家族のうちでも兄の1人だけです。でも、他のみんなも家族です。』
「へェ〜、で歳は?」
『…15です』
「「「「えッ……」」」」
「だぁっはっはっは!!!オメェまだまだガキじゃねェか!!」
『失礼なこれでも立派なレディです!』
「お前、父親と母親はどうした。」
ベックはどうやら痛いところをついてくるらしい。
『父は…私たちが生まれる前に亡くなりました。母も産んですぐに亡くなったそうです。』
「悪い…辛いことを思い出させた。」
『いえ…辛くはありません。 だって会ったことや記憶にない両親ですから。言い方は悪いかもしれませんが、辛いとかの感情はありません。』
「ふーん…まぁ、お前がそれでいいならいいだろ。」
シャンクスたちに質問責めにされていたところ、1人の船員が駆け寄ってきた。
「お、お頭!!! 白ひげに連絡つながりやした!!!」
「お、やっとか! こっちもってこい!」
どうやら電伝虫の繋がる範囲まで近くに来たようだ。
大きめの電伝虫がどんとシャンクスの目の前に置かれる。
「あー、あー、こちら、シャンクス。繋がってるか。」
[…ふざけてるのかよい。 用がねェなら切るぞい]
「わ、待て待て!! 白ひげに土産があるんだ!」
[ちッ…ちょっと待てよい]
後ろでコソコソと話しているのを電伝虫が必死に再現していた。
[グララララッ、赤髪の小僧…そらァいい酒なんだろうなァ]
「お、白ひげか!あぁ、俺の故郷の酒なんだ」