【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第6章 一難さってまた一難
「そ、そんなことが許されると思ってるのか!!」
「ほぉ、指揮官は誰だ、そんなことができるのか?ん、さっき少将って呼ばれてなかったか?」
『…えェ…私は少将ですから。指揮官は私ですが何か?』
「そうか、なら、問題ないな!」
「「「「アン少将!!」」」」
「ほォ、軍艦一隻で俺たちに張り合おうってか。それも指揮官無しで…いいねェ、やってみろ。」
「お頭…可哀想だぜ…いじめてやんなって!」
「だははははっ!!いじめてねェよ!!!」
「まぁ、本当にうちとやろうってわけじゃねェよな。」
後ろから声をかけるタバコをふかした黒髪の男。船長があんなに…まぁ、あんな感じなのにどうしてもこうこの男は落ち着いているのか。
『ベン・ベックマン…』
「大人しく引き下がんな。今なら見逃してやる。俺たちの強さは、海軍内でも有名なはずだがな。」
「「「ッ!!!!」」」
「はっはっはっは!!! 今日は引き下がるんだな!!!」
「すみません、アン少将!!!我々には勝てる術がありません!!!」
『あはは…大丈夫です。もう怒られるなら惜しみません。』
パシャンと水の落ちる音がした。
「なッ! つめてェ!!!」
「「「は?!!!」」」
『申し訳ないですが…ほんとに急いでいるんです。これから、怒られないといけない案件がありまして…』
体を水にして船長さんの手から離れると、船尾の竜の頭に乗る。
「お嬢ちゃん、能力者だったのか。」
「だぁっはっはっは!!! こりゃ一本とられたなッ!」
『何が面白いのか知りませんが…私は水人間なので捕まりませんし、捕まる気もありません。』
「いーや、俺は有言実行の男だ!!それでどうだ!!」
ガチャンとなる音、重くなる足首そして力が抜けていく体。
『これ…なんで…ッ!!』
「いやぁ、ちょうど海軍から奪ってたんだよなァ?使うところがあってよかった!」
「で、少将さん?ここからどう逃げるんだ?」
『これは…ちょっと…まずいですね…とりあえず、皆さんには逃げてもらいましょうか。』
私の力の源は海…海楼石は確かに効くが、能力が通常より弱くなる程度…まぁ、力が抜けるのは仕方ないとして。
手を大きく海はかざす…ザザッと白波を起こし海軍船を動かす。
「しょ、少将!!!」
『ここからは私だけでいいでしょう。彼らはいかせてもらいます。』