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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第1章 思えば始まりはいつも…


目の前で私を説教する10歳の男の子…私と似た癖のある髪を持ち、特徴とも言えるそばかす。私の双子の兄である、エース。

「さっきから呼んでんだぞ!返事くらいしろよな… って、また寝てたのか」
『うーん、まだ寝てなかった…眠ろうとしてたのは確か…』

目をこすりながら、話を聞く。

「クソジジイが帰ってきてるらしい。ダダンが後で来るだろうって言ってたぞ!」
『あー、おじいちゃんね…今度は何しにきたのかな?あれ、今日はサボと一緒じゃないの?』
「あー、あいつは秘密基地にいる。」
『そうなんだ…』
「それより、早く行こうぜ!あのクソジジイが来る前に…アンの能力でよ!」
『それが目的だったでしょう?仕方ないなぁ…』

この世には“悪魔の実”と呼ばれる不思議な実がある。
その種類は様々で、炎を纏うもの、体がゴムのように伸びるもの、動物に変身するもの…それら全てが明らかになっているわけないではないが、ただ1つ明らかになっているということは、“海に嫌われる”ということだけだ。

「にしても、アンの力はすげェよな!海でも泳げるし、操れるし!!」

ニシシと自慢げに笑うエースは早くと急かす。

『体力使うんだよ?』

手をかざすと近くにある海から水柱がこちらへとゆっくり向かってくる。

『水橋』

秘密基地のある木へと水の橋をかけると、その上を滑るように歩いていく。

「すげェ!! やっぱりいいな、この力!!」

私の力はなぜか海に嫌われることはなかった。あの時、あんなクソ不味いものを食べたがこれはこれで良かったと言えるだろう。

まさか…お前が持ってしまったとはな…

これはおじいちゃんにあったときに言っていた言葉だ。何を意味していたのかはわからない。それ以来、おじいちゃんは私を海軍にするべく様々なことを教えてくれた。

「アンはさ…」
『ん?』
「海賊にはならないのか?」
『ならない…と思うよ、だっておじいちゃんは海軍にって言ってるし』
「それでいいのか?」
『エースは海賊になるんだもんね』
「あァ…」
『じゃあ、海であったときは敵だね!』
「…あァ、でも負けねェ!」
『うん、楽しみにしてる!』

「そこにおったのか!!!アン、エース!!」

下から聞こえる怒号に私たちは少しびくりとした。

「なんだよ、クソジジイ!」
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