第3章 海常高校戦:第2クォーター
最近やっとマネージャーの真弓子とは喋れるようにはなったが、それ以外の女子とはほとんど喋べらない笠松にとってこの至近距離での真弓子の笑顔は破壊的に威力を持っていた
真っ赤になってそっぽを向いた笠松に、外を眺め始めた真弓子は全く気づくはずもなく、向かいに座った黄瀬だけがニヤニヤしながら見ていた
笠松たちがホテルに到着するとほぼ同時に桐皇学園のバスも到着し、青峰や今吉キャプテンらレギュラー陣とマネージャーの桃井が降りてきた
真弓子は桃井ときゃーきゃーと騒ぎ、笠松は今吉とあいさつをかわす
ひとまず荷物を部屋に置き、互いの紹介をするために体育館に集合することにした
このホテルは真弓子の祖父が経営する、体育館・テニスコートを常設した温泉付き保養所だった
ある大企業が研修のため1週間貸し切りにしていたが事情があって予約をキャンセルしてきたのだった
料金はすべて払うということなので、急きょ従業員全員に大型の休暇を与え、孫のクラブにタダで貸し出してくれたのだった
急な話で笠松は戸惑ったが、1週間みっちり練習できることとIHで大敗した桐皇学園との合同合宿という美味しい話、おまけにホテルの前は海・・・レギュラー陣の強い希望によりお世話になることになったのだった