第21章 忙しない呼吸
「というわけだから、謹慎処分や体罰のような処置は取りかねるね。…そうだね…確か杏寿郎に頼んだ任務があったね。その任務で杏寿郎の補佐をするというのはどうだろうか」
「調査に向かった隊士が何人も戻らないと報告を受けていたあの任務でしょうか!お館様!」
「人手は多いに越したことはない…列車が任務地だから、守らねばいけない人も大勢いる…悪くない話だと思うんだけど…どうだろう」
「確かに依千の実力なら心強い!私は構いません!」
そう言う煉獄さんとお館様の顔を交互に見て…すぐに頭を下げる
「…必ず…死者を出さずに補佐を努めます」
「よろしく頼むよ、二人とも」
ということで、今回の件に関する処罰が決まった
他に話し合うこともないのでこれにて臨時の柱合会議は閉会…各自解散という形になった
一応処罰は下されたものの、私自身刑が軽すぎやしないだろうか…と少し思い悩むところがあったのだけど…
「お館様も言っていただろう!そんなに思い詰めるとは依千らしくないな!」
「…煉獄さん…」
産屋敷家から少し離れた道中で煉獄さんに声をかけられた
まだ夜なので、非番の隊員以外はこれから巡回任務…
私と煉獄さんはこれから先程の列車にまつわる任務に就くことになる
「そうは言われても…流石の私にも自責の念くらいは持ち合わせてるよ」
「例の無残を獲り逃した件か!…実のところ、無惨は依千の実力でどうこうできそうな相手だったのか?」
「即答させてもらうけど…無理だ。…鬼の始祖を名乗るだけあって普通の鬼とは別格だった」