第5章 好きな人のコト
「あれ…いない」
夏真っ盛りのある日、杉町は講義に来なかった。
確かにこの講義、杉町の学部は必修ではない。
でも、いつも休む時は前の週に教えてくれた。
俺は心配だったけど、連絡先を交換してないから理由を知ることが出来なかった。
次の週、杉町は何事もなかったかのように俺の前に姿を現した。
「おはよう鈴木」
「おっおう」
俺たちは、いつものように二人で勉強をした。
「なぁ、なんで先週講義休んだんだ?」
今しかない。俺は疑問に思っていることを聞いた。
「先週?ちょっと親戚が急に入院したから、お見舞いに行ったんだ。」