第4章 【瀬呂範太】アネモネ【R-18】
室内にはあまり馴染みのない甘いお香の匂いが充満していて頭がくらくらする。
部屋に入るなり服を全て脱ぐように命じられた私は全裸でいた。
皮膚がじんわりと汗ばんでいつもより躰が熱くで快楽が中をぐるぐると渦巻いていた。
「……んっ、んぅ」
私は両腕をテープのようなもので後ろに縛られて部屋の床に転がされている。
女性器にはシリコン製の二股バイブが挿入されていてヴーンと低いモーター音を響かせながらGスポットに当たるように固定されたデコボコの極太バイブが私の中を掻き回し、二股に割れた先端に2個のボールがくっついた不思議なフォルムの子機はクリトリスをつまむようにしっかりと捕らえて高速で振動し延々と刺激を甘え続けられていた。
「……はっ、あぁあ、っんぁ」
そして根本までずっぽりと嵌められたアナル用のバイブ。お尻の穴は今まで相手した人の中にも使いたがる人がいたから開発はしていたけれども、女性器と違い体液が多量に分泌されるわけではないので私の個性柄率先して使うようなことはなかった。だから、あまり刺激には慣れていなくて頭と躰がおかしくなりそうになってしまう。
何よりこれを使う時にする準備を全部お風呂場で範太くんにされてしまったのが恥ずかしくて恥ずかしくて堪らなかった。
「……やっ、あぁ、……はん、た、くんっ」
もう、そんなことはどうでも良くなるくらいの快感に私は今、犯されているけれど。
「あぁあぁ、っん、おね、がっ、い」
私はその二輪挿しといわれる状態でずっと放置されていた。
範太くんはドロップ型のハンギングチェアに腰掛け、まるで私なんていないかのように視線も向けず煙草を喫いながらスマートフォンを触っている。