第9章 罪悪感
「え?」
今まで聞いたことないくらいに怖い声。
「お前、悲劇のヒロイン気取るなよ」
「そんなことない!」
「いやある!」
怒鳴り返されて、固まってしまう。
「お前は悲劇のヒロインでもなんでもねーよ。自分を犠牲にしてみんなを守る自分が可愛いか?自分の思いを殺して健気に耐える自分が可愛いか?」
「だからそんなことないって…!」
「あるっつってんだろ!誤解なら誤解だって仲間に言えよ、周りのやつだって、自分の意思でお前を信じたんだ。だったらそいつらの好きにさせりゃいいじゃねーか。なんでお前が罪悪感感じてんだよ!お前は何も悪くないんだから、胸張って好きなように生きてりゃいいんだよ!」
その言葉は頬をひっぱたくような鋭さで、私はハッとする。
そうだ。
私はなにも悪くない。
胸張って歩こうと決めたじゃないか。
信じてくれるみんなのためにも。
「ここで私が謝ったら、みんなの信頼裏切ることになるもんね」
「そーだよ」
いつもの優しい声。
「ありがとう。…私、もう弱気にならないから」
「…でも、辛くなったらいつでも頼っていいんだからな。」
「…ありがとう!」
その一言を忘れないあたり、さすがにろくんだ。
ほんと、罪作り。
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