第8章 私は独りじゃない
「…白井」
「っ!?」
周りの音がすうっと消えていく。
聞きなれた声。
心臓がばくばくと痛いくらいに激しく稼働する。
「なんですか?私、急いでるんですけど?」
「…」
黙り込む大地さん。
「それともなんですか?部を乱したことに対して制裁を加えに?」
あぁ、そうじゃ無いんだ。
私はきちんと大地さんと話がしたいんだ。
ずっと信頼していた、
ずっと頼りにしていた。
向こうから話しかけてくるなんて奇跡なのに…
「本当にお前はやったのか?」
「って言ってもしんじてくれないんでしょう?」
大地さんの言葉に被せるように言う。
どうせ、どうせ信じて貰えない。
大地さんが違うとかなんとか言ってるけど。
「あんな簡単に騙されるような人間の言葉、そうやすやすと信じませんから。さようなら。」
泣きそうだ。
校門を出て、裏通りに入る。
今日はいけない。
そう仁花にメールをすると、急いでダイヤルをプッシュする。
「もしもし?
にろくん?」