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【銀魂】あの欠けた月の半分を探して《銀時》

第9章 交差するそれぞれの思い《回想》




「ここに来て良かった。ミツバちゃんに会えて私決められたよ。私…、宇宙に行ってくる」


「…宇宙へ?」


空を見上げるとそこには無数の星の光が浮かんでいる


「攘夷戦争が始まって…私はみんなみたいに刀を取って戦えなかった。仲間の背中を守りながら戦うことが…出来なかった。それが悔しくて、倒れていく仲間をただ泣きながら見てることしか出来なかった…」


黙って未来を見つめるミツバ


「ずっと考えてたの、私に出来ること。ずっと思ってた、大切な人を守りたいって。ミツバちゃんのおかげで、気づけたよ」


「え…?」


「私、医者になるよ」


空に浮かぶ星からミツバに視線を変え、強い意志を秘めた瞳で微笑む未来


「刀を持って戦えないなら意味がないって思ってた。そんなの仲間じゃないって…。傷ついた仲間を、助かったはずの命を目の前にしても、無力な私はただ立ち尽くすだけ…。そんな無力さがずっと嫌いだった。でも今度は、私が守る。私のやり方で。守りたい人を、助けられる命を。大切な友達のミツバちゃんを…」


真っ直ぐ自分に向けられる未来の瞳を見つめていたいのに、ミツバの目から涙が溢れてこらえきれず流れ落ちていく


「未来ちゃんは…守ってくれてたよ。昔から…。総ちゃんのこと、あの時…守ってくれたよ」


「ふふ、こんなところ総ちゃんに見られたら、私すごい怒られるとこだったよ。姉上を泣かすなって。江戸に行ってくれてて助かったよ」


ミツバの涙を指ですくいながら、昔のようないたずらっ子の笑顔で笑う未来


「だからミツバちゃん。それまで待ってて。なんでも治せるすごい医者になって帰ってくるから」


両手でミツバの手を握る未来の笑顔が、ずっとミツバの記憶に残っている



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