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【銀魂】あの欠けた月の半分を探して《銀時》

第5章 とある一日




数刻前、真選組屯所にて


「はい、これで大丈夫ですよ。傷口が開かないよう、しばらくは安静にして下さい」


包帯を巻き終え、未来は笑顔で言った


「なかなか安静にしてられる職業じゃないですからねー…」


苦笑いでありがとうございました言いながら部屋を出る隊士を見送り、パソコンにデータを打ち込む


「ふぅー…」


伸びをしながら、未来は縁側へ移動する


鍛錬中の隊士達の声が遠くの方から聞こえてくる


未来は江戸へ戻るや否や、訳あって真選組屯所の医務員として勤務することになった


着任してしばらく経つ


最初は女子と言うこともあり隊士から好奇の目に晒されたが、それも少しずつ落ち着いてきた


「あ、そうだ。足りない薬買いに行かないと」


お茶をすすりながら、休憩がてら空を見上げていた


「よう、サボりかー?」


「あ、土方さん」


真選組副長の土方が、ゆったりとした足取りでこちらに近づいてきた


「どうかされましたか?また総悟くんにバズーカ打たれましたか?」


「あぁ、なんか喉の調子がな」


「珍しいですね、土方さんが体調崩すなんて。ちょっと診てみましょうか」


「おう、頼む」


喉の様子を見て聴診器で心音を聞き、目の充血具合を見ていく


「扁桃腺が結構腫れてるから、これから熱が上がってくるかもしれないですね。お薬出しておきますね」


「俺も焼きが回っちまったな」


「ふふ。"なかなか安静にしてられる職業じゃない"ですからね」


「あ?」


「隊士の方が仰ってましたよ。またには皆さんお休み取ってくださいね」


キーボードをタイピングしながら、会話を続ける


「そうそう休んでられねェだろ。上にも下にも問題児置いて…」


どこか嬉しそうにボヤく土方さんを横目に、未来ははっとした


「あ、そうだ、お薬切れてたんだった。調達してくるので、あとでお持ちしますね」


「ああ、それなら付き合うぞ。ちょうどこれから見回りだからな」


「じゃぁそこまで一緒にお願いします」

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