第1章 始まりの合図〜共通〜
それから数年
私達は中学生になって
受験生へと進学した。
あれから無個性だけの理由で爆豪くん達にいじめられて、それでも一生懸命にヒーローノートを書いている彼は輝いていた。
時々は一緒に帰路に着き
たわいない話をして過ごした
彼は爆豪くん達に追いかけられるようになってから、少しビクビクするような性格になってしまったが、根本的には変わらず嬉しそうな笑顔を向けてくれる。
ある時、一緒に帰っている時にボソっと呟いた
「ねぇ、何で華ちゃんは僕と一緒にいてくれるの?か・・・かっちゃんとか怖くないの?」
その言葉に私はきょとんとした。
私は元々そんなに人付き合いが得意な方ではない
というのも自分の個性と容姿の所為でもあるのだが
私の個性は「誘惑」
誘惑といっても誰かれ誘惑して回っているわけではない
一定の動悸、緊張で勝手に発動するからタチが悪い。
なので、極力男女ともに一定の距離感で接しているため、そこまで親しい友人は出久くらいだ
極め付けに容姿が極端に整った顔立ちで、腰まである長いキャラメル色の髪に大きな人を見透かすような瞳 薄く色づいた唇
誰しもは一瞬目を奪われそうな容姿である。
その様ないでたちで個性が特殊となったら極力関わらない様にと避けてしまうのも至極当然で
それでも彼女が出久に引っ付いているのは
彼の出す安心した空気がとてもとても子供の頃から居心地がいいからであって他意はない。
「ん〜•・・・・・どうしてって言われても、出久くんは人より沢山ヒーローのこと詳しいし、話してて楽しいよ?」
そう言ってにっこりと笑うと「そ・・・・それだけ?」と何故だか聞き返されたから首を傾げてしまった。