第6章 踏み出す気持ち〜共通〜
高校に入学してしばらく経った
相変わらず人をあまり寄せ付けたくないのか、どうしても一歩引いてしまう
帰るときは時間が合えば出久くんと下校している
何故だかたまに爆豪くんが凄い勢いで追いかけてくる
毎回毎回、喧嘩になるんだから突っかからないで欲しい
ある日、出久くんに心配そうに言われた
「ねぇ?華ちゃんは友達出来た?一緒にお弁当食べてる?」
その言葉に返事は返せなかった
だって友達と呼べる子は自分から作ってない
挨拶くらいならする、だけどそれ以上は踏み込みたくない
「僕も出来るだけ一緒にいてあげたいけどさ、ほらクラスも違うし、見えないときは誰かと仲良くなってくれたら嬉しいかなぁって」
頬を掻きながら笑う出久に華は急に声を荒げた
「出久くんは!私の個性知らないわけじゃないでしょう!こんな・・・こんな個性せっかく出来た友達に出したくないのっ!」
「勿論分かってるよ?でもむやみやたらにここずっと出てないじゃないか?大丈夫、ここは雄英高校なんだからコントロールする勉強もきっと学べるよ?」
「出久くん・・・・」
「せっかくの高校生活なんだから楽しまなきゃ!ね?」
なだめるように言われ、小さく私は頷いた
友達は1人でいいって思ってたけど
それじゃぁいけないって自分でもちゃんと分かっている
だけどまだ
その一歩の勇気が出ない