第2章 合同任務
「ちょっと痛えかもな…我慢しろよ」
「…っ」
「…痛かった?」
至近距離から顔を覗かれ、恥ずかしさと緊張で心臓が高鳴る。
「大丈夫です…」
何とか小さく答えると、修兵は治療を終えて備品をてきぱきと片付けていく。そして唐突にしみじみと呟いた。
「こんな細腕で刀握ってンだもんなぁ…」
その言葉に萌は少なからず驚いた。
檜佐木副隊長って言えば、強くて頭もきれる人で、クールで怖いイメージだったけど…
「あの…?」
「よし、終わり。あんま無茶すんなよ」
今のは独り言だったかのように話を打ち切る修兵。萌はお辞儀をして礼を述べた。
「はい。ありがとうございました」
実際に話してみて少し分かった。実はすごく優しい人なんじゃないかな…
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