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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第9章 1割のお礼



「あれ、ちゃんどうしたんだい?」

話しかけられて、出ていくのを遮られた。

『い、いえ、別に....』

「何かあったんだろう?今にでも涙が零れそうな瞳をしている」

『....え?』

自分では気づかなかった。ましてや、泣くことなんてなかった。

「話聞こうか?」

太宰にそう言われたが、話す事なんて無い。
けど、いつもふざけている太宰が真剣な真摯の目で聞くものだから、は小さく頷いた。


何故か太宰の部屋で話を聞くことになった。

少しずつだが、さっきの事を話した。

太宰は話を真剣に聞いていた。

途中に助言などをして、を勇気づけた。

休み時間が終わる時間が来ても、他愛のない話などずっとしていた。

時計の針は5時15分を指している。

礼を言って、探偵社に戻ろう。

立ち上がろうとするの手を掴む。

「まだ終わらないよ」

「まさかこのまま探偵社に戻れると思ったかい?男の部屋に入って、何が起こるか察せないちゃんじゃないよね?」

太宰は笑っているが、目は笑っていなかった。

「私じゃダメかい?」

寂しそうに言うが、は冗談だと思った。

けど、優しくキスをする太宰に困惑する。

『だ、太宰さん?』

唇が離れて太宰に聞くが、何も答えない。


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