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Gerbera~原作沿い長編~【ハイキュー】

第13章 GW合宿




『元の場所に戻らないと。』

「さん·····道、わかる?」

『た、多分、真っ直ぐ進んできたし、大丈夫っ。』


日向くん、頼りない私が迎えにきてしまってごめんね。
そんな気持ちを抱えて、元来た道を戻ろうとした時だった。


「ちゃーん!日向ー!」


すぐ近くで聞こえた、落ち着いたテノールボイス。
この声はスガ先輩の声だ。
日向くんと2人で顔を見合わせる。お互いホッとした顔をしているのがわかって、どちらともなく笑いが零れる。


『スガ先輩!』
「スガさーん!」


結局、スガ先輩にまでご迷惑を掛けてしまった。
でも、そのおかげで私たちは無事、スガ先輩の手によって回収されたのだった。


戻った私は、日向くんを探しに行ったのに一緒に迷子になり掛けたことを蛍に散々からかわれたものの、その後はその分を取り返そうと誠心誠意サポートに務め、その日の練習を終えた。
鵜養監督の練習は厳しいものに見えるけれど、それでも皆の様子を見ているとその練習はしっかり身になっているように見えた。

合宿中の事も、しっかり記録しようと持ってきた私の部活ノートには、しっかりと練習内容と皆のその成果を書き込んでおいた。
どんどんと文字で埋まっていくノートを見つめて顔が緩む。
こうして記したことが、何か役に立てばいいなと思う。
今までに埋めたページ。これから埋めていくページ。全てに思いを馳せながら、ノートを閉じた。

ちなみに今日、ロードワークに夢中な日向くん注意との書き込みをこっそりと書き加えておいた。
もう、迷子になんてならない。そんなことを強く思いながら。





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