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【文スト】ボタンを押したら飛んじゃった【wrwrd】

第3章 1.02 原因



時は少し遡る。
ヨコハマの街を一人の少女が捜し物をして走っていた。

「し、しまった…。ついお遊びで作ったボタン…。まさか猫に奪われるとは…。」

白いフード付きのポンチョを身につけ、彼女、紗倉杏は猫を探す。

「ま、まさかもう既に別世界に飛んじゃった…とか…?いや、でも、成功するとは思えない…。」

そうブツブツ言いながらも走っている彼女の耳にとんでもない言葉が入る。

「お、おい!あれ、なんだよ!!急に海の上に出てきたぞ…!?」

それを聞いた彼女は、直ぐに足を止め海へと目を向けた。

「……あっちゃ〜…。」

そこには見たことも無い立派な城、否、要塞。

「まさかまさかの成功…。恐らく、猫ちゃんが飛んで、それをまた誰かが押したのね…。あぁ〜、困った…。誰にも目をつけられないように生きてきた意味が無くなる…。絶対頭のいい人達が私に辿り着く…。やだやだ…。と、とにかく、戦争にだけはならないようにしないと…。まずは…うん…。」

彼女はぶつくさと呟くと、覚悟を決めた様に要塞の方へ向く。

「まずは、戦争しないでくださいって、お願いしに行こう…。」

そう云うと細長い棒を口に咥えフゥっと息を入れた。
しかし何も音は鳴らないが、しばらくすると白く大きな犬が彼女の頭上から降りてきた。
彼女は其れに跨ると頭を一撫して言葉を発する。

「彼処の大きい建物まで連れてって。ルキ。」

ルキと呼ばれた犬は少女を一瞥すると、少女を乗せたまま要塞の方へ駆けて行った。
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