第3章 3
健人くんはあいつを甘やかす。
あいつも健人くんが好きで健人くんもあいつが好き
健人くんはあいつを妹のように可愛がる
そういう好きで
あいつの好きとは違う。
あいつがずっと健人くんをみてたのは知ってるし
健人くんもそれに気づいてるはずだ。
でも、あいつの気持ちには応えれないんでしょ?
なら、俺からあいつを奪わないで。
スマホを握りしめ
聖奈のもとへと走る。
目当ての人を見つけるが健人くんと風磨くんとたのしそうに話してて
進む速度が緩む
ずっと一緒にいてずっとみてきたあいつの笑顔は俺には見せてくれない顔で心が痛む
「あ、じんじん」
聖奈が俺に気づいたのかこっちをみて俺に少し怯えたような視線
普段の俺なら怒鳴ってるよな
「聖奈行くよ。みんなで振り合わせてるから」
と聖奈の手を引くと
「けんとくんまたね!」
と健人くんに軽く手を振る
「中島しか見えてないのな」
なんて苦笑いの風磨くん
俺も軽く会釈して楽屋への道のりへ聖奈の手を引く