第9章 11月 波乱の学園祭
の部が終わるまでお客様の足は途切れなかった。
やっと自分達の昼食時間が来たがみんな午前だけで相当疲れていた。
「もう材料少ないで。」
「午後は整理券が必要やんな・・」
急いで整理券を刷ってきて既に廊下に並び始めている人たちに配り午後は2時間ほどで終わった。
「先に着替えますんで・・。」
「俺も・・・。」
1日目が終わってみんなはぐったりしながら部室に戻った。
「もぉ明日いやや・・」
「耐えきれん。」
制服に着替えてからも部室からなかなか動けないでいるみんな。
財前くんには悪いけど心のなかで明日、こっそり写真を撮ることを決めた。
文化祭2日目、校庭では3年生の屋台が出ていて、朝早いにもかかわらず多くの人で賑わっている。
休憩は午前と午後で半分ずつ出ることになった。
他の部活やクラスも忙しいのか昨日よりはお客さんも多くはない。和やかに時間が過ぎていく。
「ご注文どうぞ。」
お客さんが多くないので厨房も二人で充分回る、というかほとんどお客さんのお目当てが料理じゃないので暇だ。
ホールを覗いてみると、財前くんと目があった。慌てて中に戻る。
(びっくりした・・・。)
「暇そうっすね。」
「わぁ!!」
思ったより近くで声がして振り向くと財前くんが厨房に入ってきた。
「ちょっと休憩。」
そういうと隣に腰を落とした。
「じゃあ俺が代わりにホールに入ったる。」
「お願いしますわ。」
小石川くんがホールに出たあと注文が入り二人で調理をする。ウチはふと合宿のことを思い出した。
「合宿んときみたいですわ。」
財前くんも同じことを考えていたようだ。
「真希先輩、今回は失敗しとらんみたいっすね。」
「また、それを言う。」
それから少しして財前くんはホールに戻っていった。
午前がやっとおわり、午後からは財前くんと一緒に文化祭を見てまわる。
食堂が混む前に昼食を済ませて早めに廻り始めた。
「しかもそのかっこなんやね・・・。」
ウチのとなりには今メイドさんが歩いている。まあそういうウチもチャイナ服のままなんだけど。
「いちいち着替えんのメンドイんすわ。先輩もチャイナ服のまんまやし。」
最後の1時間は全員で接客ということになっていて、制服になってもまた着替えることになる。