第9章 11月 波乱の学園祭
「そっちの飾り付け終わったか?」
「おん。材料なんかは?」
「こっちもいい感じや。」
テニス部が借りた2ー4の教室で明日のために最終チェックを行う。
みんなクラスとの掛け持ちでシフトを決めたりするのが大変みたいだ。
今年の3年生は出し物が屋台なので店番はそんなに多くなくて良いらしい。
「衣装は部室で良かったん?」
「おん、まとめて置いといてや。」
衣装の準備もばっちりだ。お化粧は結局やりたい人(白石くん)だけになった。
教室の飾りつけがあと少しで終わるところで財前くんと目があった。
「真希先輩、これ終わったらなんか食べたいっすわ。」
「じゃあファミレス行こか~。」
「そういうことなんで早く終わらしましょう。」
「ホンマ最近堂々としてきよったな。なんやムカツクわ。」
「謙也さん、ひがまんといて下さい。」
「誰がひがんどるんやアホォ!!。」
教室のチェックが終わりみんなの衣装を持って部室に行った。
机の上に一着一着畳んで置いていく。
「あれ?足りない・・・。」
ナース服がない。白石くんの分だったような気が・・・。部室を見回して見るが見当たらない。
まだ教室にいると思ったので置き忘れてないかメールをしてみた。
(ロッカーの中にあらへんか?)
白石くんのロッカーを開けてみる。そこには綺麗にハンガーに掛かっているナース服。
「あった。さすがというか、さすがに。」
綺麗に整理されているのは白石くんらしいがナース服を自分の物のように扱っている。
(だ・・・大丈夫やろか。)
衣装の確認と軽く片づけを終わらせると、部室の戸締りをして教室に戻ることにした。