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愛玩彼女

第17章 エンディングのその後は


視界が遮られて。
闇なのに。
不安が全然ない。
むしろ体温が心地いい。



「今日はライちゃん、素直だね」
「調子狂う」



「………」




素直。
うん。
そうかもしれない。
不思議と、穏やかだ。





視界を遮る掌を両手で押し退けて。
斗真へと口付ける。


ついで透の唇へと、自分の唇を寄せた。



「ライちゃん?」



「うん、ハッピーエンドも悪くない」




同じ遺伝子を持つふたりが、同じくひとつの遺伝子に惹かれるのは当たり前。
その遺伝子が自分であったことに感謝しかない。
ふたりに愛される遺伝子を持って産まれてきたことに。
初めてパパとママに感謝した。
偶然でしかない出会いも。
血の繋がりも。
出来事も。
たくさん偶然が続けばそれはもう運命だ。
そんな生温い感情に人生預けるなんてバカげてる。
そう思ったりもするけど。
それはそれで。
こんな運命なら、大歓迎だ。



「勝手に終わってんなよ」

「え」

「ハッピーエンドなんかじゃ、物足りなくない?」



「………」




大好き。
そんなだから。
やめられない。



「うん」




ハッピーエンドなんかじゃ、ものたりない。
もっともっと。
続けていきたい。
エンディングなんて存在しない。



あたしたちはまだまだ、始まったばかりだから。







ねぇ?


エンディングの、そのあとは。





とびきり甘い時間の、始まりだよ。








                  ━完━
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