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愛玩彼女

第17章 エンディングのその後は






「ちゃんとみかの面倒見てね」
「わかってる」
「天の勉強も」
「わかってるから」
「あと……」


「わかってる!!ちゃんとできるから、姉ちゃんの代わりくらい」




名残惜し気に、弟たちを見やれば。
早々と荷物を車に運び入れた雷斗は鬱陶しそうに、あたしの手を振り払った。


「お姉ちゃん、バイバイ」
「日曜日、待ってるね」


下の弟や妹も、すでにるんるん気分で車に乗り込んでいる。



「じゃぁ、丁重に頼むよ」
「かしこまりましてございます」



なにやらビシッとした黒スーツに身を包んだ長身の男の人が、透に頭を下げたあと。
隣にいる斗真にも深々と頭を下げた。


「……なんだよ」

「今さらながら、すごい人なのかなって……」


けっこうな財閥の、お坊ちゃんだって後から聞いたけど。
あたしこれ、隣に突っ立ってていいのかな。
子供の引っ越しに黒塗りの車3台も、いる!?
普通。
荷物も向こうにあるってゆーし、持ち物っていったらほんと着替えくらいなんだけど。
なんだろ、この半端ないまでの重圧感。



「雷斗は正当な血筋だろ?ったりめーじゃん」
「………」


いや、そこじゃないんだけどさ。


バタン


て。
重々しくドアが閉まり、笑顔で手を振る小さな弟たちへ同じく笑顔で手を振る。

雷斗。


は、なんとなく緊張した面持ちで。


「雷斗!!いろいろありがとう!」


走り去る車へと放った言葉は、雷斗に届いたのかどうか確認は出来なかったけど。
たぶん、大丈夫。
きっと届いてる。
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