第16章 契約、更新
「しんっじらんない!!鬼!悪魔!変態!!」
先ほどの朝の情事が開始された時間は不明だか、現在外では太陽が燦々と真上で輝いている。
「はは……、ごめん、やりすぎた」
「やりすぎたぁ?それだけ?ねぇ、それだけ?」
「だからごめん、てば」
ごめん、とか言ってる割にはさっきから顔、笑ってるし。
「怒んなよ、さっきまでの可愛さどこやったの、お前」
ベッドの横に正座してひたすら謝る透とは反対に。
ベッドの縁に足組みながら腰かけてあたしの頭を撫でる斗真。
これ、絶対反省してない。
昨日、今朝と。
完全にキャパ超えの体力に限界突破しちゃったあたしは、さっきからずっと、ベッドから起き上がれずに、いる。
悲しいかな、仰向けになることも出来ずに、動くのは辛うじて腕と頭のみだ。
「エッチは週1でお願いします」
「「無理」だろ」
「…………」
ハモらないで、そこ。
「…………」
「來?」
「あたし、ここにいて、いいの?」
『バイバイ』、って。
昨日。
「毎日ヤらせてくれんなら、いいよ」
ふ、て。
頭を撫でる斗真の顔が綻んで。
「それ、賛成」
透までがゆっくりと微笑んだ。
「…………」
体力、持つかな。
「1日1回で」
「それさ、1人1回?」
「はぁ?」
「そこ大事だろ」
「…………ひとり、1回」
「「契約、更新」だな」
なんだかとんでもない契約結んだ気もするけど。
体中ほんとだるいけど。
「…………」
まぁ、いいか。
『契約更新』。
『バイバイ』、より、ずっといい。