第9章 『お仕置き』後日談

「雷斗」
「雷斗くん」

「？」


「お前のねーちゃん、
キレるとヤバい系？」　　

「何したんですか」

「あれから家中の飲食
怖くて口に出来ないんだけど」
「どーにかしろよ、あれ」

「家で食べなきゃ解決なんじゃ……」

「なんとかなんねぇ？」

「謝っちゃえば？」
「翌日謝った」
「……誤りが足りないとか」

「そんなに？」

「ねーちゃんがキレたら
けっこうネチネチしつこいですよ」




　　　　　　　　　　　　　　　　「邪魔」

「………」
「…………」
「待ってねーちゃん！！
俺関係ないからねっ？」
「あぁ、やべ。一瞬凍ったわ」
「俺も。目が怖いねライちゃん」
「ちょっと待って！なんか絶対
誤解された俺！ふたりとも、俺を
巻き込まないで下さいって！」
「大丈夫、たぶん３人なら怖くないよ」
「何ですかそれ」
「あいつお前ら兄妹に甘いだろ」
「……」
「どーしたら機嫌直る？」

「謝ったらすぐ機嫌直して
くれますよいつも」
「何回も謝ったって」
「……ほんと、何したんですか」

「「犯罪」」


「はぁ？」



　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　(…………あいつら)


「なんにせよまだまだねーちゃん、
孕ませんのだけはなしですからね」
「お前……」
「あれ、知ってたの？」
「下ふたりは気付いてないですよ」

　　　　　　　　　　　　　　　　(嘘……っ)
「あんまねーちゃん、
いじめないで下さいね」
「……それ、そのまんまの意味？」

「？」

「お前、中坊のくせにわかるやつだな」

「？？」

　　　　　　　　　　　　　「ストップ！！」

「ねーちゃん」
「來」
「……なんか余計、怒ってる？」

　　　　　　　　　　　「許して欲しいの？」
　　　　　　　　　　　　「怒らせたいの？」


「……このふたり相手にここまで
びびらせるって、ねーちゃんすげー。
小悪魔ってやつ？」

　　　　　　　　　　　　　「雷斗！！」

「……俺？」

　　　　　　　　　　　　　「小遣いなし！」

「えぇ？めっちゃとばっちりじゃん」
「お前……やっぱまだまだ中坊だな」
「はぁ？」
「うん、いいやつだよ」

　　　　　　　　　　　　　　「…………」