第8章 『お仕置き』
意地悪そうに4つの瞳が揺れた、瞬間。
ひとりは痛いくらいにピンと上を向いている胸の突起に。
もうひとりは、先ほどからなぶり、弄られぷっくりと膨れる突起へと。
同時に吸い付いたんだ。
透の右手は、まだあたしの後ろ手に重ねられたまま。
少しの自由も許されない状況で、引くことのない快楽はまるで拷問みたいで。
「お願……っ、もぉ、ぃやぁッッ、あ、ああっっ」
もうやだ。
おかしくなる。
もう堕ちる、堕ちるから、もう楽にしてよ。
はじめから、抗うつもりなんてないもん。
おとしてよ、なんなら一番海底まで。
この波に逆らうつもりなんて、始めからないよ、あたし。
「來」
「と、ま。とーま、とーまぁ」
「こんなときなんてゆーか、前に教えたよな?」
「!!」
コクコクと、壊れるくらいに首を縦に振れば。
にこりと、初めて見えた斗真の笑顔。
「上手く言えたら、許してやるよ」
「……っ」
終わる?
終わる、の?
「………ねが、しま、す」
「聞こえない」
「ひぁっ、あんっ」
ぐい、と、無遠慮に侵入してくる指先は、3本へといつの間にか増えていて。
「今日斗真、すっげ鬼畜な。どーしたの。ライちゃん目なんて泣きすぎて真っ赤だよ?」
「嫌なら出てけよ、透」
「矛先変えんなよ、殺気だってんね、今日」
「來」
「………お願い、します……っ、イかせて、くださ……っ、とー、…ご主人さま、の、來、に、欲し……っ」
「……」
「めちゃくちゃに、犯し……ひ……っ、あぁぁん!!」
ゆっくり出入りを繰り返していた指先は、急に速度を上げ、追い詰める。
「ここ?膨らんでる」
黙って頷けば。
す、っと、抜かれる指先。
「や…ーっ、いやぁっ」
「ちゃんと言って」
壊れるくらいに首を振って、懇願すれば。
返ってきたのはすごく優しい、声。
両目を開けて、ゆっくりと斗真を見下ろした。
「……気持ち、いい……っ」
小さくそう、言葉を繋ぐと。
斗真は満足そうに笑って。
「いいよ、好きなだけ、イけよ」
指先の律動を、再開したんだ。