第2章 幼馴染
結局3人共チャイムが鳴っても教室に帰ることはなく、俺のクラスメイトも何人か隣のクラスへ行っているため空いた椅子を勝手に持ってきて机の周りを陣取る幼馴染と妹に溜息を吐くしかない。
「実は今度の休日に此処へ皆で行こう!って話をさっきまで蘭と工藤君としてたのよ!」
『…【巨大ウォータースライダー完成!他にも数々のプールがあり、大人や子供も大満足間違いなし!】…って…プール?』
気を緩めれば落ちてしまいそうになる瞼をなんとか開けて机の上に置かれた一枚のチラシを見下ろし、そういえば近々オープンするとCMでやってたのを思い出す。
「うん。ほら、最近暑い日が続いてるし…プールに行って涼しむってのもいいんじゃないかなって!」
「俺も最初は面倒だから断るって言ったんだけどよ…まぁ、悠が行くって言うなら…行ってもいいかって…」
『何その俺任せ的なやつは。…プールなぁ…どうせ人も多いだろうし…めん「蘭が変な男に言い寄られたりするかもしれないよねぇ…」よし、行くぞ新一ッ!!』
「…ハハハ…(チョロすぎだろ、このシスコン)』
「やったーッ!じゃ、決まりね!!蘭、今日の帰りに水着見に行かない?」
「いいね!行く行く!」
まんまと園子の策略にハマってしまった俺に呆れた視線を送ってくる新一だが、妹が不埒な輩に絡まれたりでもしたらと気が気でない俺には策略だろうと気にしない!ただ可愛い妹を守るのみッ。