第14章 色黒関西人登場

「…コナン君、オレンジジュースのおかわり…入れてあげるよ」



「…あ、ありがとう…（怖ええッ！！目が笑ってねーッ！）」



『…おいおい、そんな怖え顔すんなって。皆ビビってんだろ。…ん、やっぱ透の作るハムサンドは最高だなッ』



「………はぁ…（たったそれだけの言葉で機嫌が直ってしまうことが悔しい）…ごめんね、コナン君。オレンジジュースのおかわり、僕の奢りで入れてあげる」



零のどこか冷たい空気に周囲も含めてどこか居心地が悪そうにしているのを視界に入れるとさすがにこれはダメだろと注意してからお皿に乗ったハムサンドを一口食べ、何度食べても飽きないこの味に満足げに言えば先ほどまでの空気が一変して困った表情を浮かべて謝る零。



「……なぁ、安室さんって…もしかして…」




「…う、うん…私もそうじゃないかって思ってた」




『？？？何だ？どうかしたのか？」




「「う、ううん！！何でもないです/あらへんよ！！」」




モグモグと美味いハムサンドを食べているなか、今度は女性陣がヒソヒソと内緒話をしている光景に不思議そうな顔を向けるもすぐさま何でもないと首を振ってしまう二人。…何なんだ…。



「…どうでもええけど、そろそろ離れたほうがええんやないか？なあ、コナン君…」



「…お、おう…（お前もかよッ。何で俺ばっかこんな目に…）」



『ははは、悪い悪い。これじゃゆっくりジュースも飲めねえな。ほら…和葉ちゃん達も早く食べねえと帰りの時間遅くなっちまうぜ』



小さい頭だったのもあってずっと抱きしめたままだったなと平次に言われて気付き、あまり悪いとは思っていないのだがとりあえず謝って漸く頭を離してやってから食べる手が止まっている皆に一言告げて自分も食べるのを再開させる。


「はー…腹いっぱいや！ここのハムサンドめっちゃ美味かったで」



「うんうん！このケーキもふんわり、甘さもしつこくなくて最高ッ！」



「ふふっ、そんなに喜んでもらえると作ったかいがあります」



「ええ！！？これ、安室さんが作ったん！？」



自分が作った料理に満足した二人に嬉しそうにする零の様子に良かったなと自然と笑みが溢れ、よほど気に入ったのかハムサンドをいくつかテイクアウトしたいと頼む平次に今回だけ特別ですよと作りに行く後ろ姿を暫く見つめた。