【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第10章 キャンプへ強制参加!
風見からの情報をもとに足早にキャンプ場専用の駐車場へと移動すればすぐさま運転席に乗り込む零に続いて俺も助手席に乗り、グローブボックスからノートパソコンを取り出し自身の携帯とすぐに接続する。
「現在地は?」
『…あー…こいつは既に移動してるな。しかもこの速さは間違いねえ、車だ』
「了解。何も問題ない」
目標を逃がしたもののどうやらソイツの車に発信機を付けることには成功したのだと風見から再びメールが入っていた。
居場所さえ分かればこっちのものだと口端を上げ、パソコンの画面に映る標的の位置情報を細かく零に告げると動き始めた車に俺はすっかり忘れていた…コイツが目標確保の為なら愛車がどうなろうと気にしない奴だってことに。
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車が発進し始めてからはもう地獄だった。途中から目標が車道を外れて森林内を走り出したことを零に告げると何を血迷ったのか、同じように森林内へ突っ込んでいく車にコイツマジかと冷や汗が背中を伝って流れるのを感じた。
「目標の位置は!?」
『っ、このまま真っすぐ行け!そうすりゃ回り込めるッ!』
山道なのだから当然整っていない道に時折ガンッ!と石や木々にぶつかる音が聞こえ、どうか生きて帰れますようにと心の中で祈りながら段々近づく目標と地形を頭の中に瞬時に叩き込む。
『零、後30秒後だ。30秒後にハンドルを思いっきり右に切れッ』
「………了解ッ!」
俺の短い言葉に疑問を抱くことなく頷く零の姿に嬉しい気持ちになりつつ車内でカウントが始まるともしもの時用に置いてあった拳銃をグローブボックスから取り出して窓を全開にし、数えていたカウントが今まさにゼロになろうとした瞬間車が大きく曲がってそのまま車道に出ると数メートル先に見えた目標が乗る車の姿。
『さすがだな、零。……悪いが、そろそろチェックメイトだッ!』
まさか車が飛び出してくるとは思っていなかったのか咄嗟にかけた急ブレーキがあだとなり、そのせいで大きくスリップする車のタイヤを窓越しから拳銃で打ち抜く。